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初花
第5章 白絹
時は流れ
共に迎える、初めての夏。



薄物を着流す龍の肌は 此の季節にも
滑らかに白く絹の様で

鮮やかな瑠璃も似合っていたが
今宵の薄葡萄色に映える横顔は とりわけ美しい






築山のしたにある湖へ
水面に映る月を観に行かぬかと 誘えば


「すこしだけ、お待ちいただけますか。」

彼は、一度 居室に戻った






そして間もなく現れた、その姿に
私は 初めての日に贈った紅珊瑚を見た。
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