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王子の甘い罠
第1章 王
「なんで海外じゃなくて広報なんだろうね?」
「・・・僕が配属願いを広報にしたんです」
僕、ね。
「帰国子女って国は?」
「フランスです」
「え!私と同じ!奇遇ね。でも使わないとフランス語忘れない?」
「忘れます」
「そうよね。私でよかったらたまに話し相手になるわよ」
「ありがとうございます」
ふうん。王子もいい子じゃない。
「で、忘れてるか不安だったので、この本、読んでみました」
「・・・・」
「案外覚えてるもんですね~」
「・・・・」
「最後まで問題なく読み切りましたよ。推・理・小・説」
こいつ・・・・
ガタッとテーブルの上のジョッキが多少の音を出したけど気にしない。
私は次の瞬間に王子のネクタイを結び目のすぐ下をつかんで
引き寄せた。
「あんた、エセ王子ね」
そんな私の問いかけにもさわやかな笑顔で
「失礼だな。長谷川さん。長谷川さんの名誉のために
本の内容は言ってないじゃないですか」
「・・・・」
はたから見たら、脅しているのは私で
王子は、意地悪な魔女に捕まってる図だ。
「で?何が言いたいの?」
そこでもう一度ネクタイをクイッと引っ張った。
「・・・僕が配属願いを広報にしたんです」
僕、ね。
「帰国子女って国は?」
「フランスです」
「え!私と同じ!奇遇ね。でも使わないとフランス語忘れない?」
「忘れます」
「そうよね。私でよかったらたまに話し相手になるわよ」
「ありがとうございます」
ふうん。王子もいい子じゃない。
「で、忘れてるか不安だったので、この本、読んでみました」
「・・・・」
「案外覚えてるもんですね~」
「・・・・」
「最後まで問題なく読み切りましたよ。推・理・小・説」
こいつ・・・・
ガタッとテーブルの上のジョッキが多少の音を出したけど気にしない。
私は次の瞬間に王子のネクタイを結び目のすぐ下をつかんで
引き寄せた。
「あんた、エセ王子ね」
そんな私の問いかけにもさわやかな笑顔で
「失礼だな。長谷川さん。長谷川さんの名誉のために
本の内容は言ってないじゃないですか」
「・・・・」
はたから見たら、脅しているのは私で
王子は、意地悪な魔女に捕まってる図だ。
「で?何が言いたいの?」
そこでもう一度ネクタイをクイッと引っ張った。