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作品集
第11章 平成28年3月度

素晴らしいと思いました。
◆余命一年と宣告された高校生の女子と、
その秘密を
一人だけ知っている男子のお話しです。
「残り少ない命を、図書室の片づけなんか に使っていいの?」
僕の極めて何気ない質問に、彼女は首を傾げた。
「いいに決まってるじゃん」
「決まってはいないと思うよ」
「そう?じゃあ他に何をしろって言うの?」
「そりゃあ、初恋の人に会いにいくとか、外国でヒッチハイクをして最期の場所を決めるとか、やりたいことがあるんじゃないの?」
彼女は反対方向に首を傾げた。
「んー、言いたいことは分かんなくもないけどさ。
例えば、
【秘密を知っているクラスメイト】くんにも、死ぬまでにやりたいことはあるでしょう?」
「……なくはない、かな」
「でも今、それをやってないじゃん。私も君も、
もしかしたら明日死ぬかもしれないのにさ。そういう意味では私も君も変わんないよ、きっと。一日の価値は全部一緒なんだから、
何をしたかの差なんかで
私の今日の価値は
変わらない。
私は今日、楽しかったよ」
「…………なるほどね」
◆余命一年と宣告された高校生の女子と、
その秘密を
一人だけ知っている男子のお話しです。
「残り少ない命を、図書室の片づけなんか に使っていいの?」
僕の極めて何気ない質問に、彼女は首を傾げた。
「いいに決まってるじゃん」
「決まってはいないと思うよ」
「そう?じゃあ他に何をしろって言うの?」
「そりゃあ、初恋の人に会いにいくとか、外国でヒッチハイクをして最期の場所を決めるとか、やりたいことがあるんじゃないの?」
彼女は反対方向に首を傾げた。
「んー、言いたいことは分かんなくもないけどさ。
例えば、
【秘密を知っているクラスメイト】くんにも、死ぬまでにやりたいことはあるでしょう?」
「……なくはない、かな」
「でも今、それをやってないじゃん。私も君も、
もしかしたら明日死ぬかもしれないのにさ。そういう意味では私も君も変わんないよ、きっと。一日の価値は全部一緒なんだから、
何をしたかの差なんかで
私の今日の価値は
変わらない。
私は今日、楽しかったよ」
「…………なるほどね」

