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作品集
第19章 平成28年11月1日
?クイズの答えです?

☆ 3. 拘置所と留置場のどちらでもよい

刑事訴訟法のたてまえとしては、被疑者の身柄は、裁判官の勾留決定を境にして、警察の留置場から刑事施設(拘置所)へ移されると定められています(64条1項)。しかし、「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」で、逮捕・勾留などにより拘禁されている者等は、刑事施設に収容することに代えて、留置施設に留置することができるという定めがあるため、被勾留者を拘置所に移さずに、警察署の留置場に収容したままにすることができるのです(同15条1項)。
これが「代用刑事施設制度」と呼ばれる制度であり、先進諸外国には今日ほとんど例を見ない、我が国独特の制度といわれています。留置場から拘置所に移れば、一日中警察の監視下に置かれることは避けられますが、留置場に置かれたまま延々と取調べが続けば、被疑者は休まるときがありません。
そこで、このような措置が許されていること自体が人権の侵害であり、虚偽の自白を誘発しているおそれがあるとの批判が古くからあります。
しかし、拘置所だけでは被勾留者を物理的に収容しきれない現状や、捜査の必要性などの理由から、現在においてもこの制度は維持されています。
よって、Aさんも、拘置所と留置場のいずれかに勾留されることになります。
なお、実務上は、被疑者の勾留場所はその事件の捜査を担当している警察署の留置場(代用刑事施設)が指定され、起訴後は裁判所に近い拘置所に移監するという運用が原則的に行われているようです。

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