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作品集
第4章 平成27年7月…
共に考えましょう!

◆頭山満講話より


勝海舟は幕臣中の切れ者であったが、維新のまえに
九州を遊歴したとき、
まず熊本の
横井小楠(しょうなん)をたずねた。
当時横井の名声は非常なもので、勝と対談すると雄弁滔々(とうとう)としてとどまるところを知らず、
時勢、人物を論評してさかんにまくしたて、
勝はおしまいまで一言も吐くことができなかった。
学問、識見、弁舌のいずれも聞きしにまさる大先生であると、勝はほとんど感服してしまった。
それから鹿児島へ下って、西郷南洲翁に会ってみると、横井とはまるで正反対で、自分から一口もきかずただ勝のいうのを、ハアハアと聞くばかり。
しかたないので、こんどは勝のほうが説法をする
役回りになった。
さすがに勝じゃ。
これはとても段ちがいの
人物だと覚(さと)って、説法をするのと、説法をされるのとでは千里の違いがある、とのちに人に語ったそうじゃ。
ここになると天品と人品との相違じゃ

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