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作品集
第6章 平成27年10月3日より
ご存じですか…?
■「中国の思想 [Ⅰ] 韓非子」より
人を信じることができますか?
?恭(ほうきょう)は魏の太子に従って趙の都
邯鄲(かんたん)に人質としてやられることになった。出発するとき、かれは魏王にこういう質問をした。「もしも、だれかが“街に虎が出た”と言ったら、お信じになりますか」
「信じないな」
「では、もう一人“街に虎が出た”と言ったら、どうでしょう」
「いや、信じない」
「それでは、もう一人“街に虎が出た”と言ったら、どうなさいます」
「そうなると、やはり信じるだろうな」
「街に虎が出ないことはわかりきったことです。
それなのに三人が同じことを言ったらお信じになる。
邯鄲ははるか遠い外国です。それだけ邯鄲のことはわかりにくいのです。
その邯鄲に行くわたしのことを、留守中とやかく言う連中は、三人どころではありません。どうか、このことをお忘れになりませぬように」
しかし、?恭が邯鄲から帰国したとき、大勢の言うことを信じこんだ君主に、
かれは二度とおめみえを許されなかった。
■「中国の思想 [Ⅰ] 韓非子」より
人を信じることができますか?
?恭(ほうきょう)は魏の太子に従って趙の都
邯鄲(かんたん)に人質としてやられることになった。出発するとき、かれは魏王にこういう質問をした。「もしも、だれかが“街に虎が出た”と言ったら、お信じになりますか」
「信じないな」
「では、もう一人“街に虎が出た”と言ったら、どうでしょう」
「いや、信じない」
「それでは、もう一人“街に虎が出た”と言ったら、どうなさいます」
「そうなると、やはり信じるだろうな」
「街に虎が出ないことはわかりきったことです。
それなのに三人が同じことを言ったらお信じになる。
邯鄲ははるか遠い外国です。それだけ邯鄲のことはわかりにくいのです。
その邯鄲に行くわたしのことを、留守中とやかく言う連中は、三人どころではありません。どうか、このことをお忘れになりませぬように」
しかし、?恭が邯鄲から帰国したとき、大勢の言うことを信じこんだ君主に、
かれは二度とおめみえを許されなかった。