この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
作品集
第7章 平成27年11月

◆昔の教えに「流れに従って、流れに任せず」とあります。
川を渡ろうと思ったときに、川の流れに逆らったら渡れません。
流されながらも向こうに渡るという目的を持つことが大切で、主体性は常に自分にあります。
元外務大臣で戦犯になった広田弘毅(こうき)さんが、外務省の欧米局長のときに後の首相、幣原(しではら)喜重郎に嫌われて人事異動でオランダ公使に飛ばされるんです。
当時はオランダと日本は通商がなかったので、この移動は左遷でした。
皆はこれを心配しましたが、当の本人は平気のへっちゃら。そのときの心境を得意の狂句で吟(よ)んでいます。「風車 風が吹くまで 昼寝かな」
風車はオランダのトレードマーク。
風車はエンジンを持たないから、いかに精巧であっても風が吹かなければ自分では回れないものでしょう。彼はオランダへ飛ばされる、オランダは風車が有名、風車は風が吹かないとどうにも仕方がない、風が吹くまで昼寝かな、と詠んだわけですね。
彼はのほほんとしていたけれども本当に昼寝をしていたわけではもちろんありません。その逆境時に、外交的ないろんな情報を集めて勉強するんです。
そして再び中央に戻ってソ連の大使になったときに、その成果を発揮して成功を収めたのです。
彼は機が熟するのを待ったわけです。
慌てることなく、じっくりと。もちろん待つことには勇気が必要ですから、これは大変なこと。
でも、物事にはいいときも悪いときも必ず“流れ”がある。これに抵抗してはダメだと思うのです。
無理して慌ててもいい結果は得られません。
たとえ逆境の中だろと腐らずにいれば必ずチャンスはやってくる。
そのときのために努力を続けること。
そうした機会をじっくり待てるということも大きな勇気だと思います。
●黒い花びら(水原弘・1959年・東芝)
今をさかのぼること57年も前の歌、楽曲としての評価が高く「第一回日本レコード大賞」を受賞しました。新興レコード会社の、あまりなじみのないリズムの作品、当時には少なかった男が歌う無くした恋への
「挽歌」がグランプリということで話題になりました。
川を渡ろうと思ったときに、川の流れに逆らったら渡れません。
流されながらも向こうに渡るという目的を持つことが大切で、主体性は常に自分にあります。
元外務大臣で戦犯になった広田弘毅(こうき)さんが、外務省の欧米局長のときに後の首相、幣原(しではら)喜重郎に嫌われて人事異動でオランダ公使に飛ばされるんです。
当時はオランダと日本は通商がなかったので、この移動は左遷でした。
皆はこれを心配しましたが、当の本人は平気のへっちゃら。そのときの心境を得意の狂句で吟(よ)んでいます。「風車 風が吹くまで 昼寝かな」
風車はオランダのトレードマーク。
風車はエンジンを持たないから、いかに精巧であっても風が吹かなければ自分では回れないものでしょう。彼はオランダへ飛ばされる、オランダは風車が有名、風車は風が吹かないとどうにも仕方がない、風が吹くまで昼寝かな、と詠んだわけですね。
彼はのほほんとしていたけれども本当に昼寝をしていたわけではもちろんありません。その逆境時に、外交的ないろんな情報を集めて勉強するんです。
そして再び中央に戻ってソ連の大使になったときに、その成果を発揮して成功を収めたのです。
彼は機が熟するのを待ったわけです。
慌てることなく、じっくりと。もちろん待つことには勇気が必要ですから、これは大変なこと。
でも、物事にはいいときも悪いときも必ず“流れ”がある。これに抵抗してはダメだと思うのです。
無理して慌ててもいい結果は得られません。
たとえ逆境の中だろと腐らずにいれば必ずチャンスはやってくる。
そのときのために努力を続けること。
そうした機会をじっくり待てるということも大きな勇気だと思います。
●黒い花びら(水原弘・1959年・東芝)
今をさかのぼること57年も前の歌、楽曲としての評価が高く「第一回日本レコード大賞」を受賞しました。新興レコード会社の、あまりなじみのないリズムの作品、当時には少なかった男が歌う無くした恋への
「挽歌」がグランプリということで話題になりました。

