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第7章 平成２７年１１月

素晴らしいメールを紹介します。

◆パナソニック創業者
　　松下幸之助氏

己の弱さを受け入れる強さ、素直な心で器を広げ続ける。松下氏は、和歌山県の裕福な家に生まれましたが、父親が米相場で失敗して困窮。９歳で小学校を中退し、大阪へ丁稚奉公に出ます。少年時代は、学校に通うかわりに、実社会で学びました。例えば、自転車店に勤務していたころ、修理を待つお客さんによく…
「煙草を買ってきてくれ」と頼まれた。そこで、煙草を安くまとめ買いして転売し、利ザヤを稼いだ。
ところが嫉妬した同僚の
非難で、主人から禁じられてしまいます。
このとき、彼は小さな工夫で大きな成果を上げる喜びを知った。と同時に、自分だけが得するように儲け方が長続きしないことも学びました。「商売は一人ではできない。だから、私心が先立っては結局、損をする」そんな真理を体得したのです。こうした経験が、経営者としての基礎になったのでしょう。このように、実体験を自分の血肉に変えられたのは、ひとえに素直だったからです。
素直さがあればこそ、自分の弱さも自然に認め、受け入れました。早くから商才を示す一方で、松下氏は、学歴に低い自分には知識が足りないという自覚がありました。さらに若くして肺病をと患い、病弱というカベにもぶつかります。
しかし、松下氏は成功をあきらめませんでした。
「自分は体が弱いから横になっている時間が多い」
「したがって、自分はアイデアを凝らし、部下を通じて事業を実現するんだという基本認識がある。」
「人に任せざるおえない。任せざる得ないのであるなら、損益や問題点がはっきり表れるシステムが欲しい」こうして生まれたのが、当時としては画期的な事業部制でした。
事業部の長に仕事を任せる代わりに、それぞれの損益を把握できる仕組みを構築したのです。経営者とてスーパーマンではない以上、周りの人を巻き込んで協力を仰ぐほかない。
「経営の神様」と呼ばれるほどの成功をつかみました。つまり、自分の弱みを逆手にとって会社の強みに変えたのです。