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白い背中と君の藍
第5章 ローズピンク◇混ざり合う
「あは……ははは!」
無性に嬉しくなって、自然と笑いが込み上がる。
これは世界で一つしかない、私と鳥羽さんの作品だと思った。
もう暫く眺めていたかったけどシャワーを浴びるように言われたから、残念な気持ちでバスルームに向かう。
「タオル適当に使って」
「うん、ありがとう」
そう言われてドアを閉めようとしたら、鳥羽さんは体液が付いていた手をまた見詰めていた。
ちょっと気になりつつも自分は描かれたローズピンクを洗面台の鏡に映し出す。
乾き出して突っ張った感触がする肌を愛しげになぞろうとすると、一際紅く光る物が視界に入る。
「これ……」
ピアス――――。
それも大きめのルビーの粒。
デザインからして女性物だった。
「あ……誰?」
鳥羽さんも私もピアスはしていない。
薔薇色に咲いた喜びは、紅の小さな石に一瞬にして打ち砕かれる。
恐怖なのか悲しみなのか、膝が震えて力が抜けそうだ。
もし鳥羽さんに確認して、それでもう会えなくなるかもしれないと思うと怖くて聞けない。
「鳥羽……さん」
ポタ、ポタ――――
散らされた花園からは薔薇色の涙が零れ落ちた。
無性に嬉しくなって、自然と笑いが込み上がる。
これは世界で一つしかない、私と鳥羽さんの作品だと思った。
もう暫く眺めていたかったけどシャワーを浴びるように言われたから、残念な気持ちでバスルームに向かう。
「タオル適当に使って」
「うん、ありがとう」
そう言われてドアを閉めようとしたら、鳥羽さんは体液が付いていた手をまた見詰めていた。
ちょっと気になりつつも自分は描かれたローズピンクを洗面台の鏡に映し出す。
乾き出して突っ張った感触がする肌を愛しげになぞろうとすると、一際紅く光る物が視界に入る。
「これ……」
ピアス――――。
それも大きめのルビーの粒。
デザインからして女性物だった。
「あ……誰?」
鳥羽さんも私もピアスはしていない。
薔薇色に咲いた喜びは、紅の小さな石に一瞬にして打ち砕かれる。
恐怖なのか悲しみなのか、膝が震えて力が抜けそうだ。
もし鳥羽さんに確認して、それでもう会えなくなるかもしれないと思うと怖くて聞けない。
「鳥羽……さん」
ポタ、ポタ――――
散らされた花園からは薔薇色の涙が零れ落ちた。