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白い背中と君の藍
第7章 ブラック◆消えて…
「才能〜? 孝秀レベルの絵なんて誰でも描けるわよ」
「そんなことないです! 彼の絵は凄く透明感があって、色使いが綺麗なんです! もっと好きな物を好きなだけ自由に描かせてあげて欲しいんです」
「描いてるじゃない、好きなように。この画材だって元々は私のあげたお金で買っているんだから、寧ろスポンサーみたいなものよ」
「それは……そうかもしれませんけど」
やっぱり話の論点を上手くずらされていく。
確かに高い画材を揃えるのは、マキコのお金があったからだ……
だからって孝秀の才能を縛られたくはない。
マキコはベッドの近くに置いてあったタバコに手を伸ばし、ケースから一本抜いて口に咥えライターで火を点ける。
ボォォォと火力があるガスライターの音が、やたら大きく聞こえた。
マキコは一口深く吸うと、赤い唇を少し尖らせて勢い良く白煙を吐き出す。
タバコが苦手な私は、少しの煙で喉が詰まってしまい噎せ返しながらマキコに忠告する。
「ゲッホッ!! 止めて下さい! 絵に煙が……」
「別に高価な絵でもないじゃないの」
絵が劣化することなんか考えず、マキコはタバコを吸い続けた。
「そんなことないです! 彼の絵は凄く透明感があって、色使いが綺麗なんです! もっと好きな物を好きなだけ自由に描かせてあげて欲しいんです」
「描いてるじゃない、好きなように。この画材だって元々は私のあげたお金で買っているんだから、寧ろスポンサーみたいなものよ」
「それは……そうかもしれませんけど」
やっぱり話の論点を上手くずらされていく。
確かに高い画材を揃えるのは、マキコのお金があったからだ……
だからって孝秀の才能を縛られたくはない。
マキコはベッドの近くに置いてあったタバコに手を伸ばし、ケースから一本抜いて口に咥えライターで火を点ける。
ボォォォと火力があるガスライターの音が、やたら大きく聞こえた。
マキコは一口深く吸うと、赤い唇を少し尖らせて勢い良く白煙を吐き出す。
タバコが苦手な私は、少しの煙で喉が詰まってしまい噎せ返しながらマキコに忠告する。
「ゲッホッ!! 止めて下さい! 絵に煙が……」
「別に高価な絵でもないじゃないの」
絵が劣化することなんか考えず、マキコはタバコを吸い続けた。