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白い背中と君の藍
第7章 ブラック◆消えて…
だけどまだ、聞くべき時じゃないよね……
きっといつか孝秀が話してくれるまで、実家のことは待とう。
それよりも――――
「孝秀……隣の部屋の絵なんだけど……」
「うん……眞貴子さんだよ」
孝秀は誤魔化すことなく、すんなりと答えてきた。
孝秀も、聞かれることを覚悟していたようだ。
それならば今は、この鳥籠の鍵を外したい――――。
「何でマキコさんばかり描いているの? 孝秀、他の人描いてないよね?」
「うん……メグも眞貴子さんから聞いたかもしれないけど、色々あって眞貴子さんにお世話になっていて……このアパートも好きなように使わせて貰える条件として、眞貴子さんの肖像画を描いてるんだ」
孝秀は当たり障りなく答えてくれたけど、核心の部分がまだ見えてこない。
「経緯は分かるんだけど……マキコさん以外の人は描かないの?」
『孝秀には私以外の人間、絶対描かせないわよ』
憎しみを掻き立たせるマキコの言葉が、再び頭に蘇る。
どうしてもマキコから孝秀を解放したかった。
孝秀は凄く苦しそうに顔を顰める。
きっといつか孝秀が話してくれるまで、実家のことは待とう。
それよりも――――
「孝秀……隣の部屋の絵なんだけど……」
「うん……眞貴子さんだよ」
孝秀は誤魔化すことなく、すんなりと答えてきた。
孝秀も、聞かれることを覚悟していたようだ。
それならば今は、この鳥籠の鍵を外したい――――。
「何でマキコさんばかり描いているの? 孝秀、他の人描いてないよね?」
「うん……メグも眞貴子さんから聞いたかもしれないけど、色々あって眞貴子さんにお世話になっていて……このアパートも好きなように使わせて貰える条件として、眞貴子さんの肖像画を描いてるんだ」
孝秀は当たり障りなく答えてくれたけど、核心の部分がまだ見えてこない。
「経緯は分かるんだけど……マキコさん以外の人は描かないの?」
『孝秀には私以外の人間、絶対描かせないわよ』
憎しみを掻き立たせるマキコの言葉が、再び頭に蘇る。
どうしてもマキコから孝秀を解放したかった。
孝秀は凄く苦しそうに顔を顰める。