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白い背中と君の藍
第7章 ブラック◆消えて…
「それは……出来ないんだ。眞貴子さんしか描かないって約束してあって……」
「そうなの……」
そう簡単にはいかないのも覚悟していたけど、改めて孝秀の口から聞かされるとショックは大きかった。
せっかく止まった涙がまた出そうになって、唇を噛んでグッと堪える。
何千万の親の借金を肩代わりしたマキコの言いなりになるしかないのは、まだ社会的地位がない孝秀には仕方ないことなんだ。
何とか自分の中で咀しゃくして飲み込もうとするけど、胸はますます苦しくなる。
「マキコさんて……苗字なんていうの?」
血縁者でもない若い孝秀に、そんな大金を簡単に出してしまう女の素性が気になってきた。
「霧生だよ」
「キリュウ? 霧に生まれる?」
「うん……この付近多いんだって。地主みたい。だからここも持っている物件の一つだからって言ってた」
「地主なんだ……」
『霧生』一族のことは少し聞いたこともあるけど、詳しいことまでは知らない。
土地持ちならばこれくらいのアパートを沢山建てているのも納得ができた。
「そうなの……」
そう簡単にはいかないのも覚悟していたけど、改めて孝秀の口から聞かされるとショックは大きかった。
せっかく止まった涙がまた出そうになって、唇を噛んでグッと堪える。
何千万の親の借金を肩代わりしたマキコの言いなりになるしかないのは、まだ社会的地位がない孝秀には仕方ないことなんだ。
何とか自分の中で咀しゃくして飲み込もうとするけど、胸はますます苦しくなる。
「マキコさんて……苗字なんていうの?」
血縁者でもない若い孝秀に、そんな大金を簡単に出してしまう女の素性が気になってきた。
「霧生だよ」
「キリュウ? 霧に生まれる?」
「うん……この付近多いんだって。地主みたい。だからここも持っている物件の一つだからって言ってた」
「地主なんだ……」
『霧生』一族のことは少し聞いたこともあるけど、詳しいことまでは知らない。
土地持ちならばこれくらいのアパートを沢山建てているのも納得ができた。