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白い背中と君の藍
第7章 ブラック◆消えて…
私の提案に孝秀は目を見開いて固まる。
孝秀は変わった――――。
初めて話し掛けた時の鎧を着ているような雰囲気も……
無気力で何処を見ているか分からない目付きもなくなってきている。
良く笑うようになった。
沢山話すようになった。
だからきっと一緒にこの『鳥籠』から飛び立ってくれると思ったんだ。
「メグ……」
「うん!」
その後に続く言葉――――
『一緒に行こう』
そう言って欲しかった。
――――だけど
「ごめん……無理……」
「……孝秀」
発せられた言葉は『拒否』だった。
愕然とした。
考える余地もなく断られたのもそうだけど、孝秀は濡れたタオルを持ったまま自分の顔を両手で覆い身体を震わせている。
これは明らかに『恐怖』を感じているんだと思った。
孝秀に付けられた鎖は予想以上に重くなって、簡単には切れない。
孝秀は膝を抱えて震えている。
「ご……ごめん。孝秀……」
私はこれ以上ここに居るのが苦しくなって、孝秀の前から逃げるようにアパートを飛び出した。
孝秀は変わった――――。
初めて話し掛けた時の鎧を着ているような雰囲気も……
無気力で何処を見ているか分からない目付きもなくなってきている。
良く笑うようになった。
沢山話すようになった。
だからきっと一緒にこの『鳥籠』から飛び立ってくれると思ったんだ。
「メグ……」
「うん!」
その後に続く言葉――――
『一緒に行こう』
そう言って欲しかった。
――――だけど
「ごめん……無理……」
「……孝秀」
発せられた言葉は『拒否』だった。
愕然とした。
考える余地もなく断られたのもそうだけど、孝秀は濡れたタオルを持ったまま自分の顔を両手で覆い身体を震わせている。
これは明らかに『恐怖』を感じているんだと思った。
孝秀に付けられた鎖は予想以上に重くなって、簡単には切れない。
孝秀は膝を抱えて震えている。
「ご……ごめん。孝秀……」
私はこれ以上ここに居るのが苦しくなって、孝秀の前から逃げるようにアパートを飛び出した。