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白い背中と君の藍
第7章 ブラック◆消えて…
自由に出来るお金があるのに、何で孝秀に固執するんだろう?

「お金持ちって凄いね……」

つい嫌味っぽく言ってしまうと、孝秀は少し悲しそうな面持ちなった。

「眞貴子さん後妻さんで、親戚からの風当たりも強いみたいなんだ。旦那さんとも上手くいってないって言ってたから……寂しいんじゃないかな」

「え……寂しい?」

あんな華々しくしているのに……

思いもよらなかったマキコの裏の顔にも驚いたけど、孝秀がマキコを理解しているのが何より衝撃だった。

瞬間、身体中に不安が押し寄せてくる。

孝秀はマキコに束縛されて、苦しんでるんだと思ったのに……

この鳥籠の生活に慣らされてしまっているのかもしれない!?

もっと高く飛べる筈なのに、このままだと飛ぶことも、羽を広げることも出来なくなってしまう気がした。

焦った私は早くマキコの呪縛から孝秀を解き放つことばかり考えてしまって

「孝秀……このアパートを出ない?  一緒に何処かで暮らしてみよう」

無理矢理、籠から引っ張り出そうとした。

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