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白い背中と君の藍
第8章 コーヒー◇優しい気持ち
◇ ◇ ◇

バイト先のコンビニは駅に向かう通り沿いに店舗があるせいか、飲み会は居酒屋が密集している駅周辺になることが多い。

だけど今日に限って、初めて行く場所に連れて行かれた。

「智充先輩ここって……」

「ん、俺ん家」

綺麗な住宅が並ぶ地域に先輩の家も建っている。

近くには全国にチェーン展開している大手スーパーもあるから、お酒とおつまみも安く買えた。

アルコール類の重たい物は智充先輩が持ってくれ、軽いおつまみやスナック菓子は私が持ち運んだ。

「良いんですか!?  家で飲み会なんて!」

「全然余裕〜!  ダチとかもしょっちゅう来てるから親も気にしないし。今日は恵と飲み会することも知ってるから気にすんな」

先輩の家も地元だからご両親も見知ってはいるけど、こんなフリーダムでいいんだろうか?

「気が引けますけど……」

門を開けようとしてる先輩の背後に、低い声で呟くと

「でも、人の目とか気にしないで話せるだろ?  自分の家だと思ってくつろげよ。酔い潰れたら泊まっていけばいいから」

「なっ!!  先輩!」

かなりの無茶ぶりな気もしたけど、先輩が凄く気遣ってくれているのが伝わってきた。

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