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白い背中と君の藍
第8章 コーヒー◇優しい気持ち
「この手首の痣……わざと作ったんだろ。お前女の子なんだから身体に傷なんか作んなよ」
先輩の言っていることは、世間でも良く聞く言葉だ。
常識的な考えで、当たり前のように優しくしてくれる。
先輩は本当に真っ直ぐだ。
天に向かって大きく伸びる大樹みたい。
でも私は……
馬鹿と言われるような恋をしている女――――。
先輩に怒られていると、私もマキコと大差ないと痛感する。
「ふふふ……先輩は本当に優しいですね。何か先輩の方が痣作ったみたいな顔してますよ」
自分のことのように心配してくれる先輩に微苦笑すると、腕を握っている先輩の手に更に力が入って真剣な目付きで見つめ返された。
様子が変わった先輩を不思議に感じて顔を覗き込む。
「先輩?」
「当たり前だろ……俺は恵のこと好きなんだから」
「え……?」
今……何て言った?
まだ孝秀にすら伝えていない『好き』って言葉を先輩から聞いてしまった。
先輩の言っていることは、世間でも良く聞く言葉だ。
常識的な考えで、当たり前のように優しくしてくれる。
先輩は本当に真っ直ぐだ。
天に向かって大きく伸びる大樹みたい。
でも私は……
馬鹿と言われるような恋をしている女――――。
先輩に怒られていると、私もマキコと大差ないと痛感する。
「ふふふ……先輩は本当に優しいですね。何か先輩の方が痣作ったみたいな顔してますよ」
自分のことのように心配してくれる先輩に微苦笑すると、腕を握っている先輩の手に更に力が入って真剣な目付きで見つめ返された。
様子が変わった先輩を不思議に感じて顔を覗き込む。
「先輩?」
「当たり前だろ……俺は恵のこと好きなんだから」
「え……?」
今……何て言った?
まだ孝秀にすら伝えていない『好き』って言葉を先輩から聞いてしまった。