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白い背中と君の藍
第8章 コーヒー◇優しい気持ち
先輩みたいに素敵な人に想われたら幸せだろうなって、友達と話してたことがある。

それが実際、自分に起きているのに……

私が欲しくて堪らないのはどうしても彼しか――――

孝秀だけしかいなかった。

「智充……先輩は凄く格好良いです」

「恵……」

「先輩知ってました?  ここの付近では先輩は有名人なんですよ?」

「そう?」

ほらね……
こうやって私が話をしやすいように、聞いてくれる程優しい。

「先輩、昔からモテるじゃないですか……」

「モテね〜よ!」

「嘘だ〜!  付き合ってた彼女も告白してくる子もいましたよね」

「それは昔の話だろ!  本命にはモテね〜もん!」

「え!?  そうだったんですか!!」

昔話に花を咲かせるみたいで楽しい。

智充先輩の知られざる姿に、食い付いていくと

「恵、はぐらかすな。俺の昔はどうでもいいんだよ。今は好きなのは恵というこには変わらないんだから」

「あ……はい」

私の考えを見透かしたように、先輩は話を元に戻した。

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