この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
白い背中と君の藍
第8章 コーヒー◇優しい気持ち
私の答えは決まっている。
先輩だって分かっている筈だ。
それでも真剣に気持ちを伝えてくれた想いに、どう返して良いのか悩んだ。
口を結んで黙っている私に先輩の方から切り出してきた。
「あのさ恵……今は絵の具……孝秀のことしか頭にないのは分かるよ。俺だって恵のことしか頭にない」
「え……」
驚いて顔を上げると、先輩は寂しそうな笑顔を浮かべて話を続ける。
「正直さ、頭にもきてる。自分の不甲斐なさに……恵が孝秀とこんなことになる前に、恵を掴まえておけば良かったって」
「掴まえて……?」
「あぁ……」
先輩の手が頬に添えられて、親指で唇を撫でていく。
「あっ……」
驚いたのとくすぐったさで、少し甘い声を出してしまうと
「そんな可愛い声……聞かせてんの?」
「先輩!? きゃ!!」
先輩は艶っぽく囁いて素早く私の後頭部に手を回し、胸の中へ引き込んだ。
先輩だって分かっている筈だ。
それでも真剣に気持ちを伝えてくれた想いに、どう返して良いのか悩んだ。
口を結んで黙っている私に先輩の方から切り出してきた。
「あのさ恵……今は絵の具……孝秀のことしか頭にないのは分かるよ。俺だって恵のことしか頭にない」
「え……」
驚いて顔を上げると、先輩は寂しそうな笑顔を浮かべて話を続ける。
「正直さ、頭にもきてる。自分の不甲斐なさに……恵が孝秀とこんなことになる前に、恵を掴まえておけば良かったって」
「掴まえて……?」
「あぁ……」
先輩の手が頬に添えられて、親指で唇を撫でていく。
「あっ……」
驚いたのとくすぐったさで、少し甘い声を出してしまうと
「そんな可愛い声……聞かせてんの?」
「先輩!? きゃ!!」
先輩は艶っぽく囁いて素早く私の後頭部に手を回し、胸の中へ引き込んだ。