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白い背中と君の藍
第8章 コーヒー◇優しい気持ち
コンッ!コンコンコンッ!コンッ!コンッ!

軽快なノックが聞こえてきて

「智充〜!  恵ちゃ〜ん!  コーヒーでも飲まなぁ〜い!!」

先輩のお母さんのハイテンションな声がドアから響いてきた。

「先輩!?」

「たく!!  何だよ一体!」

智充先輩は顔を引き攣らせながら急いでドアを開けに行き、私も慌ててベッドから飛び降りる。

「母さん、部屋に来るなって言ったろ!」

「はぁ〜い!?  誰が毎日掃除してると思ってるの!  さっき大きな音したけど恵ちゃんに変なことしてないわよね?」

「し、してないって……」

「怪しいわね?」

お母さん、鋭い!!
遺伝子の力を感じる!

「詮索は良いから!  てか何でコーヒーを持ってきたんだよ?」

先輩は暴かれそうになったおイタを上手く誤魔化す。

「お酒ばかりもなんでしょ。私が飲みたくて丁度淹れたから智充たちの分もって〜。高いお豆だから美味しいわよ!」

「分かった!!  有難く頂きます!」

先輩は素早くお母さんからトレーを受け取って足でドアを閉めようとしたもんだから

「慌てて、やっぱり何かする気でしょ!」

余計怪しまれた。

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