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白い背中と君の藍
第9章 サンドベージュ◇繊細な心
「分かった私コンビニに行ってお弁当買ってくるから、その間に孝秀はシャワーでも浴びてなよ」
「うん、ありがとう。そこの棚の一番上の引き出しに財布入ってるからお金使って」
「う…ん、ありがとう」
そのお金の出どころは眞貴子かと思うと気が引けるけど、自分の食べる物だから私が払っても結局お金を渡されるだろう。
孝秀は楽しそうにバスルームへ入っていった。
「しょうがないか……」
言われた通り孝秀の財布から出そうと引き出しを開ける。
引き出しの中には黒い二つ折りの財布と、小さな手帳も入っていた。
「これって……」
何気に手に持ってみると、手帳には学校の名前が印字されている。
ドックン!
心臓が大きく萎縮した。
それは孝秀の――――『生徒手帳』。
そのまま中を捲っていくと、学生時代の孝秀の顔写真と記載された文字――――
「実家の住所だ……」
ザザァァァ――ッ!!
バスルームから聞こえるシャワーの水音が、テレビの砂嵐みたい聞こえる。
孝秀の止まった時間が、砂時計の落ちる砂のように流れ始める予感がした。
「うん、ありがとう。そこの棚の一番上の引き出しに財布入ってるからお金使って」
「う…ん、ありがとう」
そのお金の出どころは眞貴子かと思うと気が引けるけど、自分の食べる物だから私が払っても結局お金を渡されるだろう。
孝秀は楽しそうにバスルームへ入っていった。
「しょうがないか……」
言われた通り孝秀の財布から出そうと引き出しを開ける。
引き出しの中には黒い二つ折りの財布と、小さな手帳も入っていた。
「これって……」
何気に手に持ってみると、手帳には学校の名前が印字されている。
ドックン!
心臓が大きく萎縮した。
それは孝秀の――――『生徒手帳』。
そのまま中を捲っていくと、学生時代の孝秀の顔写真と記載された文字――――
「実家の住所だ……」
ザザァァァ――ッ!!
バスルームから聞こえるシャワーの水音が、テレビの砂嵐みたい聞こえる。
孝秀の止まった時間が、砂時計の落ちる砂のように流れ始める予感がした。