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白い背中と君の藍
第10章 エメラルドグリーン◇希望の光
カーナビで調べた実家の近くのコインパーキングに車を駐車する。

エンジンを切って、暫く二人とも無言になった。

ドックン!ドックン!
ドックン――――!!

自分の心臓の音がヤケに大きく聞こえてくる。

横目で孝秀を見やると、口を結び表情が強張っているように思えた。

騙し討ちのように連れてきてしまって、
凄く怒るかもしれない……。

でもやっぱりあのまま孝秀を『鳥籠』の中で生きさせたくなかった。

「孝秀……あのね……」

駄目元でもちゃんと孝秀と向き合おう。

緊張で渇く喉から、震える声で切り出そうとしたら

「俺の実家……知ってたの?」

孝秀が呟くように聞いてきた。

「うん……ごめんね勝手に。こないだたまたま孝秀の生徒手帳見ちゃって」

「そっか……」

普段静かな孝秀でも流石に怒ると思ったけど、変わらず淡々としてる上に少し笑っているようにも見えた。

「孝秀……」

「車から……取り敢えず降りようか」

「う、うん」

意を決したのか、孝秀は自分から車を降りた。

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