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白い背中と君の藍
第10章 エメラルドグリーン◇希望の光
目的地をレンタカー屋のお兄さんにカーナビに設定して貰ったお陰で地図を見なくても大丈夫だ。

時たま車線変更とか道を曲がるタイミングを迷うけど

「メグ、左の車線に移動した方がいいよ」

孝秀が上手く教えてくれた。

「流石男性だね〜!  孝秀運転上手そうだよね」

「そう?  免許は欲しかったけどね……」

答えた孝秀の声が、少し寂しそうに聞こえる。

前も美大に行きたかったと言っていたことが蘇り、家庭の事情が色々あったんだろうなと考えてしまう。

孝秀のナビのお陰もあってか、目的地の市内に到着するのも、一般道でも二時間もかからなかった。

目的の場所が近付いてきて、ドキドキと私も緊張してくる。

「メグ……ここって」

「知ってる?」

今はまだ惚けたふりして運転を続けていく。

四年の月日が経っているとはいえ、孝秀も懐かしい景色に気が付いたみたいだ。

そしていよいよ、目的地の孝秀の『実家』に到着した――――。

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