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白い背中と君の藍
第12章 カナリアイエロー◇壊れた鳥籠
ホテルをチェックアウトして、外にでれば孝秀とは帰る方向が分かれる。

次に会う約束をまだしてなくて、確認すると

「会えるようになったら、メグのバイト先に行くよ」

いつになるか不明だった。

思わず不安が顔に出てしまい、孝秀は私の頬に手を添えて微笑んだ。

「今日か明日に眞貴子さんと話すから……直ぐには解決しないと思うんだ。だけどメグは待っててくれる?」

今度は孝秀が不安そうに見えて、頬を覆っている手に自分のを重ねて

「待ってるよ……いつまでも。私は孝秀を信じてるもん」

孝秀がくれた絵の具が入った紙袋を目線の高さまで持ち上げる。

「その時は、私の絵を描いて貰うから」

言葉の通り、そうなる日が近いと信じていた。

「あぁ……描くよ。何枚でも」

そう言って微笑んでくれた彼の言葉を信じた。

「じゃ……また」

「うん……またね」

お互い笑顔で手を上げる。

まるで恋人同士みたいで胸がはしゃいだ。


だけどまさか……

これから起きることが、更に私たちの未来を大きく変えていくなんて――――

思ってもみなかったんだ。

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