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白い背中と君の藍
第12章 カナリアイエロー◇壊れた鳥籠
「ただいま〜」

家に帰ると母親もお店に出てるのか、誰も居なくて少しホッとした。

孝秀の状況が落ち着くまでは、お母さんにも彼のことを話せないだろう。

昨日慣れない運転をしたせいか、少し疲れが残っているみたいで、眠気が襲う。

「絵の具置いて来なきゃ」

孝秀から思わぬプレゼントに感激しながら自分の部屋に行く。

スマホを充電しようと思ってバッグから取り出すと、智充先輩からLINEが来ていた。

昨日一日中バタバタしていて、気づかなかったんだ!

顔を顰めて確認すると、驚く内容だった。

『昨日、霧生眞貴子がバイト先にまできたけど何かあったのか!?』

『おい!  メグ返事よこせ!』

『大丈夫か?  何もないなら良いけどさ』

心配してくれている文面が、沢山送られて来ていた。

だけど何より気になったのは、バイト先まで眞貴子が来たことだ――――。


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