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白い背中と君の藍
第12章 カナリアイエロー◇壊れた鳥籠
瞬間、肉を裂かれる嫌な感触と、頭がおかしくなりそうな激痛が襲う。

「あぁぁぁぁぁ……ぁぁぁ……」

声にならない声を喉の奥から吐き出した。

「メグゥゥゥ――――!!」

「な……何よっ!?」

悲痛な声で私を呼ぶ孝秀と、急に怯え出す眞貴子の声が、霞む意識の中に届いてくる。

「あぁぁ……孝…………」

ドクドクドクドク――――。

お腹が心臓になったみたいに凄く脈打っている。

生温かい物が服に染みて広がっていくのを微かに感じた。

「メグ!  何でだよ!!  待ってろ今助けるから――――!!」

孝秀が泣きそうだ……。

お願い泣かないで……
孝秀は苦しんだ分、笑って欲しいのに……。

遠のく意識の中で孝秀に笑い掛ける。

「何よ……ムカつく。ここは私と孝秀だけの世界だったのに……私たちだけの世界を他の女の血なんかで汚された……」

頭の中は真っ暗にフェードアウトしていきながら、眞貴子の力尽きた声にほくそ笑む。


良かった……

孝秀、これでやっと一緒に……

空へ飛んで行ける……

よね――――。

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