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白い背中と君の藍
第3章 スカーレット◇近付けたら
男性の住まいは、出会った場所から歩いて四十分は掛かった。

駅からも結構離れていて、格安物件が多目の場所だ。

「もう直ぐ行った先を曲がった所だから」

「はい……あれ?」

「ん?」

「コンビニ……」

「あぁ……いつも行くよ」

「え?  いつも」

「近くにここしかないから」

「そう……ですか」

そう――――
男性の住まいの最寄に、コンビニが存在していた。

だったらなんでこないだは、バイト先に来て、お弁当まで温めていったんだろう?

ウチのコンビニからここまでもし歩いたなら、確実にお弁当は冷めてしまう。

あっ! でも、途中で食べたのかも!
スーパーのフードコートもあるしね。

私の中の辻褄合わせは、そういうことで簡単に終了する。

バス通りは歩道が狭いから一本裏の道を歩いてみると、街灯はかなり少なめだった。

長く住んでいる市内でも、知らない通りがまだあることに新鮮な気持ちになりながら男性の住まいに辿り着いた。

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