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第3章 スカーレット◇近付けたら

舌先は上から下唇へと移動してきた。

口の隙間の縁をなぞられながら歯にも舌先が当たり、歯茎までこそばゆく感じる。

私も舌……
動かした方がいいのかな？

鳥羽さんの真似をするように自分も舌先を突き出してみると、唇に触れて舌先に柔らかい感触が伝わってくる。

ぎこちなく舌を動かすと、鳥羽さんは応えるように私の先に自分のをくっ付けてきた。

ピチャ……

「んっ……」

お互いの濡れた部分が接触した水音に、思わず声を零してしまう。

鳥羽さんは舌先にクッと力を込めてきて私の軽く押したかと思うと、次にチョンチョンと小鳥みたいに突き出す。

ペチャペチャ――――

舌先が弾かれる度に響く音が、妙にエロティックに感じる。

「あ……はぁ、ぁ……」

雰囲気に飲まれているのか……
シチュエーションに酔っているのか――――

厭らしい声を出す自分に、羞恥心は薄らいでいた。