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第3章 スカーレット◇近付けたら

「鳥羽さん！？」

驚く私を気にもせず、鳥羽さんは戯れる犬みたいにペロペロと口周りを舐めてくる。

ファーストキスで、こんなことまで……

そう思うと凄く恥ずかしいのに、丁寧に舐められ続けていると身体が興奮してきた。

やだ……
何、この感覚！？

楽しい出来事が起こった時に膨らんでくる期待感に似ていて頭が困惑する。

でも――――

もっと彼が……欲しい。

顎で鳥羽さんの舌の感触を味わいながら、自分の気持ちが変化するのを感じた。

その瞬間――――

「鳥羽……さん」

今までに自分でも聞いたことがないくらいの、『女』の声を発する。

鳥羽さんは舌先で顎から唇へ、線を引くように舐めあげて

「メグ……」

まるで私の気持ちに応えてくれるかのように、切なく名前を呼んだ。

トックン――――

胸の奥に赤い波紋が広がり出す。

私きっと……彼を好きになる。

確信に近い予感を過ぎらせながら時が経つのも忘れて、何度も彼の唇を求めていった
――――。