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呪いのしるしを、君の体に。
第4章 4
“美しいバラには棘がある”
そう、高槻はことりにとってそういう人物に思えた。
ユッコに詳しい事情を話せるはずもなく
「住み込みでハウスキーパーのいいバイト見つかったから、夏休みは遊べないけどごめんね!」と伝えると
ことりの家の事情を察したユッコは、さびしいけど連絡してねと笑顔を見せてくれた。
納得しなかったのは、怜央の方だった。
聞いてないぞ、と散々愚痴られたのだけれども
家庭の事情がかかわってくるのと強めに言うと
「…なら、しょうがないけどさ。帰ってくるときは連絡しろよ」
としぶしぶ承知した。
ことりは、なぜか怜央のその反応にちょっと安心してしまった。
嫌いになったわけでもないのだが
強引すぎる求め方については、少し考えて欲しく思っていた。
そもそも、ことりにとって怜央は初めての相手で
まだ付き合って数ヶ月、処女を失って数ヶ月でもあった。
怜央はことりが初めてなのを知って驚いていたから
最初の数回は優しくっしてくれた。
しかし、回を重ねるごとに強引さが増して
その強引さについていけない気持ちと体があった。