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呪いのしるしを、君の体に。
第6章 6
「いたっ…」
起き上がると、どんよりとした頭痛が、ことりの頭の中にあった。
目覚ましがあと1分で鳴る。
起き上がって伸びをして、窓を開けた。
「気持ちいいな、朝は」
ぼうっと外を眺めていると、隣の部屋の窓が開き
コーヒーを持った高槻が顔を出した。
「おはよう、ことり君」
「あ、おはようございます」
「昨晩は、よく眠れた?」
「はい、もちろん」
「よかった。その僕のシャツは、洗っておいてもいいし、そのまま返してくれてもいいよ」
「シャツ?」
分からないでいると、そのシャツだよと
バルコニーを歩いて前に立つと、ことりのシャツを指差した。
「え?」
見れば、大きな白いシャツを着ている。
もちろん、ことりのではない。
シャツの丈に隠し切れないショーツが、ちらちらと見え隠れしていた。
「やっ…!」
裾を慌てて隠す。
ことりは真っ赤になった。
高槻がずけずけと近寄ってきて
ことりの頬に手を添えた。
「覚えてないの? あんなに乱れていたのに?」
「っ…!」
耳まで赤くしながら、ことりは昨晩のことを思い出す。
お酒に酔って、先生にソファに寝かされて、それから先。
頭が混乱した。
「僕の口づけは、忘れてしまうほど粗末だったかな?」
「そんなっ…!」
血が上って、頭から火を噴きそうだった。
キスされたことは覚えている。
そのあとは、記憶があいまいで、あまり覚えていなかった。
「あんまり、覚えてなくて…」
しかし、確かな事実は、酔っ払って先生に介抱してもらい
なおかつ、服まで着せてもらって、ベッドまで運んでもらったということだった。