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呪いのしるしを、君の体に。
第6章 6
『…結局、何の目的なんだろう…?』
あまりの美味しいランチプレートに
思わず顔をほころばせていると
向かいで高槻がにこにこと見つめてきていた。
「なんですか? じろじろ見ないでください」
「いや、可愛いなって思って」
「思ってもいないことを言わなくていいです」
「僕は、そこは正直だから、思ったことしか口にしないよ」
じっとりと高槻をにらみつけたが
その笑顔の下に何が見えるわけでもなく
黙々と食事を済ませて、さらにスイーツまで頬張ると
もう高槻のことなどどうでもよくなってしまった。
穴場スポットをたくさん紹介して
高級なショーケースが並ぶ画廊にまで入った。
「先生、ところで、今日のお出かけは何だったんですか?」
シュークリームやケーキ
バウムクーヘンを買って
極めつけにアイスクリームまで買ってもらうと
ことりはご機嫌にそれを舐めながら、ふと思い出したようにそう尋ねた。
「んー。しいて言えば、新作の構想練るのに
ちょっと出かけてみたくて」
「へえ、どんな新作ですか? 聞いていいのかわからないけど…」
車に乗り込み、アイスクリームを舐めていると
高槻の手が伸びてきてことりの手首ごと引っ張って
アイスクリームを舐めた。
「新作はね。
変態小説家と、女子大生が夏の間だけ別荘で調教されていくやつ」
「はい?」
「こんな風にね」
アイスついているよ、と高槻が乗り出してきて
あっという間にことりの頭を持つと、唇を舐めた。