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呪いのしるしを、君の体に。
第6章 6

「いやあ、楽しかったね」
「先生、そろそろ手を放してください」


教会から出ても高槻が手を放すことがないので
ことりは痺れを切らした。


「ん? なんで? もう少しこのままじゃダメ?」
「ダメです。私には彼氏がい…!?」


言いかけているのを無視して
ことりの手の甲に口づけを落とす。
上目づかいの挑発的な目に、確信犯だとことりは唇をかんだ。


「変態エロ小説家」
「そうだよ、ことり君。君の言うとおり。
じゃあ、もう少し変態なことをしてあげようか?」


車に乗り込んで暴言を吐くと
高槻はことりを勢いよく抱き寄せて耳元でささやく。
そのいちいちに、ことりは意識してしまい、まともに顔が見れなかった。


「昨日の夜みたいに、もっと淫らな姿見せてよ」
「なっ…!」


押しのけようとするが、より一層抱きしめられる。
きれいな顔立ちだから線が細く見えていたのは目の錯覚で
180センチもある男性の力をみくびっていた。
高槻はびくりともしない。


「覚えていないなら、今度はしらふで。
思い出すまで君の唇を貪らせてもらおうか」
「やだ、やめてってば!」
「はいはい、わかっていますって」


からかわれているのが気に食わなくて
ことりはまたもや窓を開けると、顔を出して高槻を無視した。
舐められた耳も、握られた手も尋常ではないほどに熱くなっていた。


そのまま高槻は、この高原に住む別荘族たちのご用達の店に入り
ブランチをごちそうしてくれた。
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