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呪いのしるしを、君の体に。
第7章 7

頭がぼうっとしたまま帰宅すると
あちこちに体をぶつけてしまい
みかねた高槻が座っていなさいと指示を出すまで
ことりはどこか上の空だった。


「はい、これ。アルコールは入っていないよ」


そう言われて差し出された冷たい紅茶に
ことりはなんだか恥ずかしくなった。


「ありがとうございます…」
「君にはまだ、刺激が強かったかな?」


言われただけで、ことりは赤くなる。


「先生の意地悪…。なんで彼氏いるのに、あんなことするんですか?」
「さっきも言ったじゃないか。
良い作品を書くのには、刺激が必要だって」
「私を起爆剤と一緒にしないでください!」


ムッとしてお茶を一気に飲み干す。
底の方に甘いシロップが入っていて、それが思わず舌にビリリときた。


「あ、そう言えば。
ことり君は“みなみ七瀬”のファンだね?」
「なんで知って…?」
「昨日、君の部屋に入った時に
本が置かれているのが見えたんだ」


みなみ七瀬は、ことりが最も好きな小説家の1人だった。
柔らかい文章に、的確な情景描写。
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