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よくある恋愛モノ
第11章 新たな日々へ
「やっぱりそうなんだ……」
「あっ、あの、いや……」
美和はしまったと思った
「でも、凪も私も気にしてないからね?」
その言葉に星来は再び美和を見つめる
「……わかってるわよ、そんなの」
“2人とも、こっちが嫌になるくらい素直で、単純で、馬鹿なんだから”
悪口のようでいて、お嬢様は結構そういう人間を好いていた
いや、好きになった
初めて心を開いた相手だった
「2人とも無事っていうならそれでいいよ」
歩調を早めて美和の前を歩く
「星来、もし良かったら冬休みに……」
「あ、そうだ」
星来は思い出したように振り向いた
「私、冬休み前にフランスに帰るから」
星来の告白に呆気にとられる美和
「き、急だ、ね……い、いつの……?」
「終業式の次の日だけど?」
星来は美和の質問に首を傾げながら答え、ようやくその意図を理解する
「ああ、見送りとかなら来なくていいから」
そういって背を向けると、今度こそ振り返ることなく去っていった−−−