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よくある恋愛モノ
第11章 新たな日々へ
美和は思わず黙り込んでしまった
「え、そんなにひどいの?」
美和の態度に焦りを見せる星来
(少なくとも、美和にはそう見えていた)
「ううん、怪我は大したことないんだけど……私、星来に謝らなきゃいけないことがあるの」
「……?」
「私、凪が好き。星来の方が先だし、気持ち知ってながら申し訳ないんだけど……誰にも取られたくない」
美和はこのとき初めて自分の気持ちをはっきりと口にした
星来はその顔をまじまじと見つめ、思わず吹き出しそうになる
「そんなの、始めっからわかってた」
「えっ?」
星来は笑いださないように呼吸を整えて続けた
「ただの幼なじみに見えてたらこの私が勘違いなんてすると思う?」
相変わらずのお嬢様っぷりで言う
「和泉くんの気持ちも、美和さんの気持ちも、わかりやすすぎて逆にイライラしたよ」
「ご、ごめんなさい……」
「別に? そもそも、和泉くんのことを心配したのはただ……ただ、やられた相手っていうのが私が原因じゃないかって、責任感じたから」
美和は星来の察しの良さに驚く
「な、なんで分かったの?」