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よくある恋愛モノ
第4章 嵐に呑まれて
「はい、じゃあ今朝の連絡はここまで。あ、川本は朝礼終わったら廊下来て」
「あ、はい」
朝礼が終わり、廊下に出て美和と向き合う先生。
表情からして、あまり良い話ではないようだった。
「風紀委員長から話があるから、今日の昼休み2年1組の教室に行って」
「はい、わかりました」
明日の挨拶運動の話かな、と美和は考える。
「別にえこひいきじゃないけど、お前にはそれなりに信頼感あったから今回の件は残念だよ」
「え……」
先生の言葉に衝撃を受けた美和は、もやもやした気持ちで午前中の授業に全く集中できなかった。
そして、昼休み−−−
「なんで呼び出されたか分かる?」
「い、いいえ」
普段は優しい委員長に冷たく見つめられ、美和は体を固くする。
「無自覚か……かなり問題だね。あなたさ、朝の風紀委員の仕事すっぽかしたんだよ?」
「え?」
「しかも寝坊とかじゃなくて、普通の時間に来てたらしいし。忘れてても普通思い出すでしょ? 委員の前通るんだから」
そういえば、今日の挨拶運動は人数が少なかった……
こっちを見てひそひそ話してた子もいたような……
「あの……でも今日の仕事は明日の先輩と交代ですって紙が……」