- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
よくある恋愛モノ
第4章 嵐に呑まれて
校門に向かう美和の目にタイミング悪く凪がうつった。
美和は我慢できずに足音荒く凪に近づく。
「なんかあんたのせいで意味わかんない人たちに捕まったんですけど。そういうのやめてよ」
「は? 意味わかんねーのはそっちの方だろ。なんのこと言ってんだよ」
らしくもなく感情をむき出しにする美和に凪は少し面食らう。
そもそも凪は自分のファンクラブの存在など知らないのだ。
「バカなファンの方々を作るのは結構でございますけど、そういう人たちの管理はどうにかしてよね」
「だからしらねーっつの。勝手につっかかってくんな。つか、そういう奴らにからまれんのはお前が悪いんじゃねーの?」
全く身に覚えのない話をされて凪も苛立ち出す。
「何、私のせいにするの? 凪ってほんっとに最低だね」
そう吐き捨てて去っていく美和を見て凪は苛立ちながらも疑問を覚える。
普段あんなにも理性的な美和が、なぜ……
「意味わかんねーし……」