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よくある恋愛モノ
第6章 終幕
−翌日−−−
「おい和泉、なんか先公が呼んでたぞ」
教室にカバンを置き、いつものように屋上に向かおうとした凪にクラスメートが声をかけた
「面談室来いってさ。来ないと退学だってよ」
「……?」
仕方なく、凪は階段を降りて面談室に向かう
ガチャ
「お、親父?」
「よし、来たな。ま、退学って言われたらくるわな」
「……話ってなんだよ」
親が来ていることでただならぬものを感じた凪は流石に少し身構えた
「とりあえず座れ」
凪が隣に座るのを待って、父親が口を開く
「それで先生、凪が何かしたんでしょうか」
「……昨日屋上でこんなものが見つかりました」
出されたのは透明な袋に入ったタバコの箱と吸殻だった
「そ、それは……」
父親が吃る
「は? タバコ? それがどうかしたのかよ」
「見つけた生徒が、息子さんが吸っているのを見たと言っておりまして。昨日の……」
先生は父親に説明し出したが、凪はそれを遮った
「吸ってねーよ、んなもん。だいたい昨日は知り合いにライブ付き合わされてたんだよ」
「そうだったのか、初耳だ」
父親は案外呑気なもので、凪の告白にのんびりと答えている
しかし、素行不良の生徒の言葉が先生の耳に届くはずもなかった
「どうせ嘘だろ。そんなふざけた理由が通用すると思ってるのか」
「だからやってねーってんだろ! 嘘じゃねーよ」
凪の怒りはMAXに達する
「凪、落ち着きなさい」
「大した証拠もねーくせにテキトーなこと言ってんじゃねー! ふざけんな!」
凪は椅子を蹴り、荒々しく面談室を出ていった