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よくある恋愛モノ
第6章 終幕
そのまま階段を駆け上がると、ちょうど風紀委員の仕事を終え教室に入っていく美和が見えた
「てめーいい加減にしろよ!」
凪は美和の腕を掴み怒鳴る
「え、な、なんのこと? いきなりキレないでよ!」
「てめーがテキトーなこと言ったからだろ!」
「は……? 何?」
訳が分からず、美和も苛立ち始めた
その態度が余計凪の癇に触る
「さっき先公に呼び出されたんだよ! どうせまたてめーだろ!」
「意味わかんない……関わるなって言ったくせに何なの」
美和は怒りながらも静かに返した
その冷静な目に、凪は思わず口をつぐむ
“そうだ、コイツなら吸ってるのを見た段階で俺に直接言うはずだ……先公に言うだけなわけが……”
美和が嘘をつくはずがない、その思いもあり、凪は冷静さを取り戻した
が−−−
「……ちょっと待てよ」
「待たないよ、馬鹿じゃないの」
美和は既に話を聞く気などなく、凪を一瞥して自分の席に戻っていった
他のクラスメートたちは少し遠巻きにこちらを見ている
「……和泉くんが……」
「…タバコ吸ってたって……」
「……まさか…」
小声の会話のが飛び交う中、気になる名前が凪の耳に入ってきた
「そういえば、昨日…塚田くん……」