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よくある恋愛モノ
第7章 変化
「えっと、今度のクラス会に参加したい人は今週中にこれに名前書いてくださーい」
学級委員の呼び掛けに、気のない返事が返る
7月に入り、暑さでダルいのだ
朝礼が終わると、美和は掲示板に向かいクラス会のプリントに名前を書く
「川本」
「へ?」
突然現れた凪に美和は驚き、素っ頓狂な声を上げた
「な、なに?」
「参加すんのか、コレ」
凪は掲示板をトントンと叩きながら言った
今日は珍しく朝礼に参加したらしく、クラス会のことも聞いていたようだ
「まぁ、風紀委員としても、みんなが羽目を外しすぎないように」
「……」
凪は一瞬沈黙すると、そのまま黙って名前を書き始めた
「え、凪行くの!?」
「まぁ、一応な」
頭がついていかない
「な、何それ、意味わかんないよ」
「俺が参加しちゃ悪いかよ」
凪は少しむっとした顔をした
「いや、そうじゃなくて……って、どこ行くの! 次体育でしょ!」
「誰が出るかよ」
どうやら機嫌を損ねたらしく、凪はそのまま出ていった
美和は呆れた顔をして、着替えるために体育着を持って更衣室に向かう
誰もいない、無人の教室−−−
そこへ“誰か”が現れ、掲示板のプリントを読んである名前を書き足す−−−
“モ−リ−ツ−グ−−セ−イ−ラ”