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よくある恋愛モノ
第7章 変化
バカっぽい男子が−−−後々それが寅次郎だと知るのだが−−−走って来た先を見ると、学ランではなくブレザーを着た彼がいた
“ああ、同じクラスなんだ−−−”
星来は喜びが全身を駆け抜け頭が痺れているような気がした
「和泉く……」
「凪!」
星来が放心状態から醒めて凪に向かって一歩踏み出したとき、横を一人の女子がすり抜けていった−−−
「お母さんたちが、カフェで待ってるから終わったら来てって」
「は? めんどくせーな」
「しょうがないでしょ。だいたい……」
………………
−それ以上の音は何一つ私の耳には届かなかった−−−
「和泉くんがいたから今の学校に入ったけど、和泉くんの隣にはいつも美和さんがいた」
そして和泉くんは、他の人とは明らかに違う態度で美和さんに接してた−−−
「それで……もしかして彼女とかと勘違いしたの?」
「馬鹿みたいでしょ? でも……」
「そんなことないよ」
美和は自嘲する星来を止める
「だって、凪なんかに惚れてここまでこれちゃうんだから」
「なんか、とか言わないでよ……」
“その親しい間柄感が嫌いなのよ”
「あ、ごめんね……でも、私は森継さんのこと応援するよ」
「応援……?」