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よくある恋愛モノ
第7章 変化
「さっさと行け!」
凪は星来を急かすと、星来はハッとしたように走り出し、大通りの方へ向かう
しばらく行ったところで少し後ろを振り向いた
“すごい……”
自分を救ってくれた男子の足元には、彼より一回り以上大きいチンピラたちが転がっている
その時、ふっとこちらを見た彼と目が合った
−なんか惹かれたのよね、あの冷たい優しさに−−−
その日はそのまま帰った星来だったが、制服から凪の学校を突き止め、編入させてくれるよう父親に頼んだ
そして、入学式当日−−−
新入生総代を務めたのは、入学試験で特別編入ながら1番を取った星来だった
いや、正確に言うと1番は凪だが、欠席ということで代役が回ってきたのだ
−和泉くんが私より頭いいなんて思わなかった。なんでもできる人っているものね。課題テストでは美和さんにも負けちゃったけど−−−
入学式を終え、1年2組の教室の前に立つ星来の耳に、バカっぽい声が聞こえてくる
「凪さん! なんで俺が凪さんと同じクラスじゃないんすか!」
“あれ? 凪って、和泉凪? 休みだったはずじゃ……”
“和泉凪”の代役だと聞かされていた星来は、その名前に反応する
−名前しか聞いてなかったからてっきり女の子かと−−−
「知るか。文句あんなら先公に言え」
「先生!」