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よくある恋愛モノ
第10章 そして、確信
美和は自分でガムテープを剥がすと、
「なんで来たの! 馬鹿!」
涙目になりながら大声で怒鳴った
「今はんなこと言ってる場合じゃねーだろうが!」
久々に美和と言葉を交わして緊張が解けたのか、凪も負けずに怒鳴り返す
再び怒鳴り返そうとした美和は凪の後ろを見つめはっと息を呑んだ
その動きに凪は背後の危機を察知すると、咄嗟に美和を庇った
ガツンッ
鈍い音がして、凪の頭に鉄パイプが当たる
凪はそれを退けると
「さっさと逃げろ!」
と美和を送り出す
男が躊躇ったのか、力が弱かったのか、幸い凪は大きなダメージを負ってはいないようだ
だがさすがに少しふらつき、その瞬間にチンピラたちは一斉に襲ってくる
「凪……っ!」
柱の陰に逃げ込んだ美和は思わず叫んでしまった
その声に凪が乱れた
どんどん追い込まれていく凪を見ながら、美和は震える手で携帯のダイヤルを押す
「はい、どうしました?」
あぁっ、倒れた…
「け、警察ですかっ?」
男たちが馬乗りになる
「はい、それで…場所は……」
そして−−−