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白日夢の断片【超短篇集】
第12章  花、一匁


かって嬉しや 花いちもんめ



まけて悔しや 花いちもんめ










故郷を離れ



妓楼の籠の鳥





故郷訛りを捨て


白粉を塗り、紅を引き


客たちに愛想笑いを振り撒き





褥を共にした


男の数など


とおに忘れた……










馴染みの男がいた


毎晩


会いに来てくれた


愛を囁いてくれた


滾る肉欲を全て打ち付けてきた






……この籠から出してくれるのなら


誰でもいい……


誰のものになってもいい……





解き放って……











男の耳にそっと囁く


『もしへ、わっちや


たった一つ願いがござんすよ……』










男が身請けを決めた










これで


籠から抜け出せる……





抜け出せる……










突然感じた陰部の違和感


嫌な汗が滲み出る……


黒い噂が脳裏に浮かぶ





消失し、安堵の息を漏らす










身請けの前日





高熱に侵され


薔薇色の痣が全身に広がる


身体中きつく緊縛されるような痛み……









身請けの話は流れた





男は二度と、寄りつかなくなった










隔離された小屋の中



朦朧とする意識……


壮絶な痛み……










その痛みから逃れてからが


本当の地獄の始まり










誰も来ぬ


ただ死を待つのみの


孤独な時間……










忘却の彼方にあった


おとうとおかあの顔が


瞼の裏に蘇る











故郷恋しや 花いちもんめ












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