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白日夢の断片【超短篇集】
第21章  怖いながらも……通りゃんせ
ヒュンッ

闇夜を覆う湿った生温い空気を

切り裂くように

白羽の矢が放たれた


『おとう…おかあ……

おらぁ、まだ死にたくねぇ……』

年の頃は15

まだ稚(いとけ)さの残る面立ち

美しい両の瞳が涙で満たされる

『シーーーッ!!!

っく…すまねぇ……

天神様の思し召しには里人は逆らえねぇ……』



泣き祭りが始まった……

辺りが闇で満たされた頃

少女は白装束に身を包み

白木の柩の中へ



里人たちが柩を担ぐ



通りゃんせ

通りゃんせ

ここは どこの細道じゃ



一点の灯火も見えぬ

漆黒に染まる山道

柩がカタカタ揺れる

少女の不安と恐怖を訴えるように……



天神社の社前

柩が下ろされる



ザッザッザッザッ……

無言で里人たちの足音が遠ざかって行く



狭い空間に押し込められ

それでも恐怖で抜け出すことが出来ぬ

全身が戦慄き

冷たい汗で覆い尽くされる

ハアッハアッハアッハアッ……

荒い呼吸の音だけが沈黙の闇に響き渡る



怖い…怖い…怖い……!!!
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い…コ、ワ、イ…!!!

おかあ…!!!



ガガガガガ……

大地を揺るがす天地鳴動がこだまする



ギャォーーーーーッッ!!!!!

この世のものとは思えぬ

闇夜を引き裂く断末魔のような唸り声



ガタンガタンッ!!ガタンッ!!ガタッ……

『ヒッ……!!!』

柩が物の怪によって

かき破られる



恐怖で指先ひとつ動かせぬ

少女の衣が剥ぎ取られ

穢れなき美しい躯に

物の怪の長く分厚い舌が伸び

ねっとりと執拗に

余すとこなく舐め尽くされる



物の怪によって湿らされた皮膚が

焼けるように

熱くなる……



意識を手放したい程

悍ましく

怖ろしいのに……

ジンジンとした痺れが

中心に渦巻いて

蜜がドロリ、ドロリ…と溢れ出す





『我に穢れなき純潔の躰と魂を授けよ……』





地鳴りのように轟く響き



『ッッ!!!』

少女のささやかな蜜穴に

物の怪の肉塊が

穿(うが)たれる












通りゃんせ

通りゃんせ



行きはよいよい


帰りは……



怖いながらも

通りゃんせ

通りゃんせ……




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