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白日夢の断片【超短篇集】
第17章 籠女
籠女
籠女
籠の中の鳥は……
親を戦で失くし
敵陣に人質として捕らえられ
男達の慰みものに
滾る肉欲を露わにし
群がるように襲いかかる
一人ずつが果てしなく続くこともあれば
複数の男に輪姦されることもあった
口汚く蔑まれ
身体を玩ばれ
精神を蝕まれ
夜毎繰り返される
男達の果てなき性欲の
吐け口
このまま
ここで
朽ち果ててゆくのか……
流す涙も出ない程
枯れ果てた
……あの方の笑顔が
瞼の裏に蘇る
逢いたい……
ただ
一度だけでいい……
遠くからでいい
その溢れるような笑顔を
もう一度……
いついつ出やる
夜明けの晩に
訪れた好機の機会
丑三つ時
息を押し殺し
足を忍ばせ
引き戸へと向かう
鼓動が高鳴る
冷たい汗が背中を伝って流れ
身震いする
鶴と亀が滑った……
引き戸に掛けた手に
伸し掛かる大きな影……
喉元に太い腕が掛かる
「ッグ……」
後ろの正面、だあれ?
籠女
籠の中の鳥は……
親を戦で失くし
敵陣に人質として捕らえられ
男達の慰みものに
滾る肉欲を露わにし
群がるように襲いかかる
一人ずつが果てしなく続くこともあれば
複数の男に輪姦されることもあった
口汚く蔑まれ
身体を玩ばれ
精神を蝕まれ
夜毎繰り返される
男達の果てなき性欲の
吐け口
このまま
ここで
朽ち果ててゆくのか……
流す涙も出ない程
枯れ果てた
……あの方の笑顔が
瞼の裏に蘇る
逢いたい……
ただ
一度だけでいい……
遠くからでいい
その溢れるような笑顔を
もう一度……
いついつ出やる
夜明けの晩に
訪れた好機の機会
丑三つ時
息を押し殺し
足を忍ばせ
引き戸へと向かう
鼓動が高鳴る
冷たい汗が背中を伝って流れ
身震いする
鶴と亀が滑った……
引き戸に掛けた手に
伸し掛かる大きな影……
喉元に太い腕が掛かる
「ッグ……」
後ろの正面、だあれ?