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白日夢の断片【超短篇集】
第2章  シンデレラ 〜姉side story〜
ひとめ見て、狂おしい程の嫉妬に苛まれた

眩いばかりのブロンド

誰もを惹きつける愛くるしい瞳

艶のある唇から溢れる美声


新しくできた娘に優しくしてくれるお義父様

けれど、その愛情は雲泥の差


誰もが美しいシンデレラの周りに集まる


さぁ、泣け

泣けば、いい……涙が枯れ果てるまで

実親を失くした苦しみは

ただの序章に過ぎないのだから……


灰を被り

床を這いずり回って

その美しさと若さが

誰の目にも止まらぬまま

朽ちていけばいい……


舞踏会の夜……

一目惚れ、だった

あんな素敵な人が、いたなんて……


私を、見て?

目を、逸らさないで?

退屈そうな顔を、見せないで?


突然現れた一人の女

王子の目が奪われる

女の前に進み寄り

その華奢な手をとり

ダンスへと誘う


悔しい!悔しい!悔しい!!!


やはり男は

美しい女にしか興味がない

醜い私は

指を咥えて見てるだけ……


訪れた好機の機会

無理やり硝子の靴に

足を捩じ込むけれど

どう足掻いても入らない……


入れ!入れ!は、い、れぇぇっっ!!!


のたうち回り、悪戦苦闘


……ならば、足を靴に合わせるだけ


お母様が娘の幸せの為

ナイフで爪先を切り落とす


壮絶な痛みの中

血に染まった硝子の靴

それでも靴は私を拒否する


何故!

なぜ、なの……!?


おぉ…なんて、こと……

あんたがあの女、だったなんて……


馬車に揺られて立ち去るシンデレラ


永遠の幸せは、

美しい女にしか与えられないものなの……?



そして届いた招待状

この国の権威者に逆らうことなど許されず

悔しさと嫉妬を押し殺し

泣く泣く教会へ


切り取られた爪先は歩くことも困難で

フラフラとした足取りを支えてもらいながら

ようやく馬車に乗り込んだ





随行の途中

鳩が来て、私の両眼を抉る





あ、の……女!!!





ずっと、この機会を狙っていたのだ

私達に復讐する機会を……



優しい笑顔で

従順な態度を見せながら


心の中では

憎悪が渦巻いていたのだ……



婚礼へと向かう中

安堵の息を吐く




もう、あの女の幸せな姿を

醜い自分の顔を

一生見ることはない





私はずっと

暗闇の中……




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