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第3章 　祭りの夜

日に焼けた筋骨逞しいがっしりとした腕が

今日は鍬からバチへと握り変え

太鼓を力強く打ち鳴らす


長く細い指先で支えられた笛に当てられた

薄く引き伸ばされた唇から

甲高い音が響き渡る


妖しい面を被った男女が舞い踊る



火の粉が飛び散り

祭りの夜が始まった……





メラメラと燃え盛る薪の周りには

一糸纏わぬ村の男女衆が交ぐ合う姿が

炎にゆらゆらと揺られて映し出される



自分が何者なのか……

どこに属するものなのか……


名前も

年齢も

容姿も


全て忘れ去り……





ただ……



身体と心を解放し

性の悦びと快感を

本能のままに貪り食う



美しい女には大勢の男衆が群がる……


あらゆる性感帯に食らいつき

己の遺伝子を残さんと

精根尽き果てるまで

滾る雄の肉棒を激しく打ち付ける



女衆もまた……

逞しく生命力漲る男に群がり


強い子孫を残す為、

太く硬くなった肉棒を求め

肉襞でがっちりと捕らえて

纏わり付き

精子の最後の一滴までも残さず

絞り尽くす





肉の饗宴は

夜が明けるまで続けられる

対を変えながら……　










新しく授かった生命は


村の宝