この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
rena's world story★a.n.r.r.y
第6章 繋がる心
* * *
……キラキラと輝く都会の街を、ゆっくりと歩いて帰ってきたから
蓮のマンションに着いて時計を見ると、夜の10時になろうとしていた。
「………!」
玄関の扉を開いて、踵に手をかけて視線を落とすと
ダークブラウンの革靴が揃えてあるのが目に止まる。
と同時に、バスルームからドライヤーの音が聞こえてきた。
「……蓮、帰ってきてたんだ」
蓮の靴の隣りに脱いだフラットパンプスを並べて
リビングまでの廊下を、そっと忍び足で進む。
……涙は止まったけど、胸がまだドキドキしてる。
最後に手を振ってくれた姫宮さんの笑顔が、頭から離れない。
って、私ってば///
今夜はまだまだやることがあるんだから、しっかりしなきゃ!
リビングのドアノブに手をかけた……その時
「瑠璃」
「……!」
バスルームの方から、私を呼ぶ蓮の声が聞こえてきて
足音と共に近付く気配で、私はすぐに後ろへ振り向いた。
「蓮、お疲れさ…」
「こっち」
「……えっ?」
ドアを開けようとした手を、後ろから優しく引っ張られて
まだ少し髪が濡れたままの蓮が、ふっと笑った。
「今日は、もう寝よう」
「………!」
「一緒に寝よ。
瑠璃が眠れる子守唄、歌うから」
「………っ」
「おいで」