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rena's world story★a.n.r.r.y
第6章 繋がる心
……優しい “ おいで ” に、きゅうっと胸が狭くなる。
間接照明だけ点いた寝室に入ると、蓮は軽々と私を持ち上げた。
ストールを外してすぐにベッドに横たわらせた体を、ふわっと抱きしめてくれる。
「………っ」
トクトクと、蓮の鼓動が伝わってくる。
……この香りも温もりも
包み込んでくる大きな手も……泣きたくなるほど大好き。
「……蓮」
「………」
「準備、まだまだ沢山残ってるわ。
当日のスケジュールと、お心付けとお車代のリスト…」
「いいよ、明日で」
「……でも…」
「明日俺が3倍速でやるから。
瑠璃には絶対無理させない」
「………」
蓮の腕が、更に私を引き寄せた。
「……ごめんな」
「………!」
「任せてばかりで、ごめん。
2人で準備しなきゃ意味が無いのにな」
ぎゅうっと抱きしめられた力が少しだけ緩むと
顔を起こした蓮が、私をじっと見つめた。
「……瑠璃」
「……ん?」
「……やめよっか、結婚式」